落合陽一《コロイドディスプレイ》(2012)

TALK SESSION &
PRESENTATIONトークセッション & プレゼンテーション

SESSION 1都市と祝祭
アートフェスティバルの未来

世界中で増加しているアートフェスティバル。日本では観光と結びつけて成功した瀬戸内芸術祭が有名ですが、近年はあいちトリエンナーレや札幌国際芸術祭のような都市型のアートフェスティバルも増えています。コミュニティとしての機能が衰退している都市において、アートフェスティバルはどのような役割を果たすのか、芸術文化の創造性と都市や地域の資源を結びつけるアートフェスティバルは、21世紀の「市民」を育てることができるのか。都市と祝祭をテーマに、アートフェスティバルの未来を、あいちトリエンナーレ2016の参加作家と芸術監督と共に考えます。

時間
13:00 - 14:00
パネリスト
石田 尚志(あいちトリエンナーレ2016 参加作家/多摩美術大学准教授)
港 千尋(あいちトリエンナーレ2016 芸術監督/写真家/著述家)
モデレーター
四方幸子(メディアアート・キュレーター/AMIT2016ディレクター)

プロフィール

石田 尚志

石田 尚志Takashi Ishida
画家/映像作家。多摩美術大学准教授。2007年五島記念文化賞美術新人賞受賞。1999年《部屋/形態》が「イメージフォーラム・フェスティバル1999」で特選を受賞。線を一コマずつ描いては撮影するドローイングアニメーションという手法を用いて、空間のなかに増殖する線や移動する点といった運動性を介入させ、空間の質をさまざまに変容させるインスタレーションを発表している。あいちトリエンナーレ2016参加作家。

港 千尋

港 千尋Chihiro Minato
写真家・著述家。あいちトリエンナーレ2016芸術監督。多摩美術大学美術学部情報デザイン学科教授(映像人類学)。群衆や記憶など文明論的テーマをもちつつ、研究、作品制作、展覧会、出版、キュレーション等、幅広い活動を続けている。著作『記憶-創造と想起の力』(講談社/1996)でサントリー学芸賞、展覧会「市民の色」で伊奈信男賞を受賞。2007年にはヴェネツィアビエンナーレ国際美術展日本館のコミッショナーを、2012年に台北ビエンナーレ共同キュレーターを務める。
あいちトリエンナーレ 2016
http://aichitriennale.jp/

四方 幸子

四方 幸子Yukiko Shikata
メディアアート・キュレーター。多摩美術大学・東京造形大学客員教授、情報科学芸術大学院大学(IAMAS)非常勤講師、明治大学兼任講師。AMITディレクター、KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭キュレーター。アートと科学を横断する数々の展覧会やプロジェクトを、インディペンデント(1990-現在)、キヤノン・アートラボ(1990-2001)、森美術館(2002-04)、NTT ICC(2004-10)をはじめ国内外で実現。2010年より「拡張されたキュレーティング」を提唱。近年の仕事に札幌国際芸術祭 2014(アソシエイト・キュレーター)がある。

PRESENTATIONデジタルネイチャーが拓く未来の都市

実業家、研究者、メディアアーティスト、とさまざまな肩書きを持ち、「現代の魔法使い」として大きな注目を集める落合陽一。シャボン玉の膜をディスプレイに映像を投影したり、音響浮揚を使った指向性スピーカーで物体を浮遊させたり、レーザー光でプラズマを発生させて指先に絵を表示させるなど、科学技術を駆使しながら、実空間でこれまでにない世界を生み出しています。落合陽一が考える「未来の形」をプレゼンテーションいただきます。会場ではシャボン玉の膜をつかった作品《コロイドディスプレイ》を展示します。

時間
14:15 - 14:45
プレゼンター
落合 陽一(筑波大学図書館情報メディア系助教 デジタルネイチャー研究室主宰/AMIT2016参加アーティスト)

プロフィール

落合 陽一

落合 陽一Yoichi Ochiai
1987年東京都生まれ・在住。メディアアーティスト、実業家、研究者。筑波大学助教。落合陽一研究室(デジタルネイチャー研究室)主宰。
応用物理、計算機科学、アートを融合させる研究や作品制作を展開。シャボン膜に超音波を当てスクリーンとする《コロイドディスプレイ》、超音波スピーカーによる音響浮揚技術《ピクシーダスト》など、コンピュータとリアルの世界をつなぐ驚きに満ちた世界を生み出し「現代の魔法使い」とも呼ばれる。
筑波大学学長賞(2011)をはじめ国内外での受賞多数。作家・研究活動に加え、Pixie Dust TechnologiesのCEOの他、ジセカイ株式会社に経営・研究で参画し、学際分野のアウトリーチも活動実績がある。

SESSION 2テクノロジーアート&
デジタルファブリケーションの現在

ドローンやVRディスプレイ、ロボットや人工知能など、最先端のテクノロジーが身近になった今、アートの世界にもこれまでは考えられなかったような作品が登場してきています。さらにデジタルファブリケーションの浸透で、誰でもが気軽に自分のクリエーティビティーを形にすることができるようになりました。アートとテクノロジー、クリエーターとユーザーなどの垣根が取り払われつつある現在、テクノロジーアートの最前線では何が起こっているのか、またデジタルファブリケーションは市民にどんな未来を提供するのか。研究者、企業の開発者、アーティスト、ディレクターなど、テクノロジーアートとデジタルファブリケーションの第一人者たちがあつまり、これからのアートとものづくりについて語り合います。

時間
15:00 - 16:30
パネリスト
田中 浩也(慶應義塾大学情報環境学部准教授/ファブラボ鎌倉主催)
やんツー(アーティスト)
セドリック・ユシェ(Festival Scopitone ディレクター/フランス)
モデレーター
関口 敦仁(愛知県立芸術大学大学院教授/美術家)

プロフィール

田中 浩也

田中 浩也Hiroya Tanaka
慶應義塾大学環境情報学部准教授、同SFC研究所ソーシャルファブリケーションラボ代表。北海道出身。東京大学にて工学博士。2008年より現職。
市民包摂型ものづくり施設「ファブラボ」の日本における発起人。デジタルファブリケーションの可能性を「技術」と「社会」からの両面から研究・実践している。第9回世界ファブラボ会議(横浜)実行委員長(2013)、経済産業省「フロンティアメイカーズ育成事業」プロジェクトマネージャ(2014)、総務省「ファブ社会の基盤設計に関する検討会」座長(2015)。

やんツー

やんツーyang02
アーティスト。デジタルメディアを基盤に、グラフィティやストリートアートなど、公共圏での表現にインスパイアされた作品を多く制作。
2011年から菅野創と共に自律生成型のドローイングマシンの制作を開始し、第15回文化庁メディア芸術祭アート部門にて《SENSELESS DRAWING BOT》が新人賞、機械学習を応用した描画装置《SDM2 - Letters》が東京TDC賞2016にてRGB賞を受賞。国内外の展覧会に多数参加し作品を発表している。

セドリック・ユシェ

セドリック・ユシェCédric Huchet
フランス・ナント市のイル・ド・ナントの中心に位置する、市の産業遺産を象徴する文化施設ステレオリュクス(Stereolux)のメディアアート部門ディレクター、およびスコピトーン(Scopitone)・フェスティバルのアート・ディレクター。スコピトーン・フェスティバル(2002年~)とステレオリュクス(2011年~)の創設時から事業に携わる。
ステレオリュクス
http://www.stereolux.org/

関口 敦仁

関口 敦仁Atsuhito Sekiguchi
愛知県立芸術大学大学院美術研究科教授(環境デザイン領域研究室)。美術家、インタラクティブメディア研究、芸術アーカイブ表示研究。
身体を広義のインタラクティブメディアとして捉え、身体によって無意識に構築される社会と自己との関係などを表現し、経絡を利用したメディアアート作品《分離する身体》、《インタラクティブ・カオス》などや、絵画、インスタレーションなどの制作発表のほか、情報メディアやデジタルファブリケーションを活用した史跡のAR表示研究、洛中洛外図や作法芸術などのアーカイブ表示研究を進めている。情報科学芸術大学院大学(IAMAS)教授、学長を経て現職。